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福山市出身の税理士ブログ

老後資金に最大3000万

2019年6月18日(火)

連日話題になっていますが、金融庁の報告書では最低限の老後生活を行うには1500万円から3000万円の貯蓄が必要との報告書を公表しました。金額だけが独り歩きしていますが、その根拠は以下のようなものです。

まず、老後30年間の支出総額を1億円程度と想定しています。ここから収入である年金の金額を差し引いたものが必要な貯金の金額となりますが、報告書では公的年金を月額22万円として試算しています。30年間の累計では7920万円となります。この差額が2000万円となり、住宅ローンなどの借入金の返済原資まで考慮すると3000万円程度が必要になるというものでした。

それに対して野党は年金制度の放棄だと騒ぎ立てているわけですが、自営業者にとっては3000万円どころの話ではありません。国民年金は満額支払っても6万円程度しかもらえません、夫婦2人でも12万円ほどです。自営業者を前提に試算すると5600万円ほどの不足が生じることになります。一般庶民にとっては絶望的な金額となります。

そもそも、老後資金を1億円として、現在の国民年金保険料16000円で賄うには年利10%超の高金利で40年運用する必要があります。現在の感覚からすればこのような投資先などあるはずもありませんが、年金制度が出来た1960年代から70年代の物価の上昇率から考えるとある程度の複利で運用することが前提に設計されていたと考えられます。

兎も角、現実問題として老後資金1億円を確保する手段を我々は考えなければなりません。また、政府は選挙の為に火消しに躍起になるのではなく、問題を直視した上で、対策をきちんと考えてもらいたい。貯金をしろというのは簡単ですが、貯金というのは可処分所得を節約して初めて出来るものです。すなわち税金や社会保険料など各種税金を支払った残りの金額です。政府が公的な年金制度の限界を認識し、自助を求めるのであれば、最低限、その為の制度を整えるべきだと思います。

また、あえて言わせてもらえば、年金受給者と生活保護者の間の格差はタブー視されている気がしますが、現在のような生活保護行政を繰り返していれば、年金を払うくらいなら生活保護を貰えば良いと考えるのは当然のことだと思います。事実、年金滞納者と言われる方のほとんどの方からこのような見解を聞きます。

月額6万円程度の年金から各種税金を払えば、満足な衣食住に回せるわけがありません。40年間もの間、真面目に年金を払い続けてきたものが、全く支払わなかったものよりも低い生活を強いられるなど許されるはずがありません。

大きな枠組みの中で公助の在り方を再考すべきと強く主張したいと思います。

 

 

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